以前イギリスで働いてたときの話だが、コンピューターとかスーパーのPOSレジとかを作っていたその会社には、決まった昼休みというものがなかった。チャイムとかも鳴らない。鳴らないといえば、朝や夕方も一切なにも鳴らなかったな。
昼休みはめいめいが自分で判断して取るので、サンドイッチ片手にずっとパソコンの前に座ってる人もいれば、雨の日は20分で晴れの日は2時間(もちろん外に出ていって芝生で寝てたりする)みたいな人もいた。食堂は朝から4時ぐらいまで空いてて、好きなときに行って食べる。食堂の広さは社員数に比べてかなり小さかったのだが、一日中にばらけてるのでそれほど混むことはなかった。
僕は長期出張だったので、そこの会社の雇用契約や賃金体系がどうなってるかはわからないが、ようはその人に振られた仕事ができてれば、なんでもいいのである。毎日4時すぎには帰っていく同僚もいたが、後になって、家族との夕食後、家から会社のコンピュータにアクセスして仕事をこなしてたことを知った。
そんな彼らの実際の仕事の能率はどうだったかというと、決して高いとは言えなかったが、日本の会社に大きく劣るということもなかった。どっちのスタイルが幸せかといえば、僕にとっては可能ならばもっとイギリスで働いていたかった、というところなのである。