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スーパーでコーンフレークの棚へ。なんだかどれも甘かったよな、と思い、「3週間で痩せる!」みたいな健康っぽいパッケージのを手に取る。念のため横の栄養分表示(どの食品にもついてる)を見ると、「砂糖: 一杯あたり10g」とか書いてある。普通の不健康そうなやつをみると確かに18gとかなんだけど。。。

同じく、めずらしく豆乳なんぞ買ってきて、さあ飲もうと注いでいると、パッケージに「バニラ」とか書いてある。不味いからバニラ風味にしてるのかな、と思い内容表示を見ると、「砂糖: コップ一杯あたり8g」。おいっ。この国では砂糖の入ってないものは買えんのか。でかでかと「有機栽培」とか「低脂肪」とか書いてあるけど、砂糖はいいのか砂糖は。。。

砂糖自身は太る太らないとは関係ない、とか誰かに言われたような気もするが、それにしたってこんなにガバガバ砂糖を摂取してたらまずいだろうよ、アメリカ人。

中国映画の大作、英雄-HERO-を見た。さすが白髪三千丈の国、豪快に無茶な映画だった。まぁ、美しい映画なんだけど、空飛びまくったり水の上走り回ったりするのはなあ。

90分のほとんどがチャンバラシーン。剣技フェチとかにはたまらん映画なのかも。

CMかなんかで見たときは、あの原色にどんな意味があるんだろう、と思ってたが、あんまり意味はなかった。単に映像的にきれいだからやってただけ、みたい。

なんか気が乗らないが、ひき逃げ犯 Tai に電話。「誰だ」と言うので名乗ったら切られてしまった。さらにかけようとすると、なんと携帯が使用不能に。料金未払いなので利用を停止します、というメッセージが無常に流れる。

月3000時間までは大丈夫だから使っていいよ、と Monica に貸していたんだが、限度を越えて使いまくったのか? それを言わずに携帯だけ僕の部屋に戻して。

ひき逃げの治療費といい、この電話代といい、ひどい目にばかりあわされているなあ。

夕食、5ヶ月ぶりにお気に入りのNew HongKongへ。「ひさしぶりだね」と店のおばさんに言われたので、「仕事で日本に行ってたんだ」と言ったら、「ひょっとして日本人だったの」と言われた。いままで何人だと思ってたんだろう。中国語を喋れない中国系2世とか?

夜中に時差ぼけで何度も起きる。しかし朝は起きられず、昼に社長の電話で目が覚めた。全体的にだるい、風邪で休みにしてもらう。次の日曜日に出勤しないといけない用事があるので、振り替えとしよう。

日本から戻るたびに、風邪引いて休んでいる気がする。3度共だ。普段は体弱いとも思わないんだけど、長距離移動に弱いのかなあ。なんとかして予防する方法を作らないと。

日本最後の日。午後の便なので朝はゆっくりと。

成田につくと、UAのカウンターは長蛇の列。そういえばお盆のおわりだった。UA852便の客が呼ばれてて、列を抜けてカウンターへ。なにかと思ったらオーバーブッキングだった。

正規料金の客とかは、キャンセルもなにも必要なく、ただ「乗らない」ことができるので、航空会社はいつも本当の座席数より多くチケットを売ってしまう。でも、ハイシーズンには、この「何人ぐらいキャンセルするか」の予測が外れることがたびたびあって、予約をした人がその便に乗れなくなることがあるのだ。

カウンターのおじさんは、最初、単にロサンゼルスの経由便(乗り換えたうえで、到着が6時間遅れる)しか空いてないんですよ。と説明する。もちろん、こんなのに「はいそうですか」と答えては馬鹿を見る。何も言わず黙ってると、「もちろん、これは当社の責任ですので、お受けいただければ$100差し上げますが。システム上、たまにこういうことがございまして、、、」というのを遮って。「ええ知ってます。ただ仕事もあるので、できれば遅れたくないんです。その$100で、他の乗客からボランティアを募ってはどうです?」「それもおこなっているのですが、予想以上にオーバーがありまして」

受けずにいると、上長が出てきて交代。「お受けいただけるのでしたら、もう少し金額を出せるかと思いますが」「SFに、電話一本かけさせてもらっていいですか」「もちろんです」ここで電話を借りて社長に連絡。留守電だった。ま、午前につかなくても会議とかあるわけもなし、そんなに困んないんだけどさ。見た目はおくびにもださない。

「もっと早くSFにつける便はないんですか?」「次の便が1時間ちょっと後にありますが、これも今日はいっぱいでして」「他社便に振り替えてもらっても構いませんよ」「チケットを拝見してよろしいですか、チケットによって他社便にできるかどうか決まってまして、、、」「たぶん格安チケットだと思います。普通は振り替えできないでしょうけど、そちらで他社便を購入してもらっても、僕は構いませんが(だいぶ意地が悪いかな)」

「次の便もいっぱいというのは、上の席もいっぱいなんですか?」ここで、この上長、どこかに電話して。「それでは、1時間後の次の便のビジネスクラスで発券いたします」

これ、最初に「はいそうですか」と言ってたら、ただ6時間長く飛行機に乗る羽目になっていたわけだ。結局、主張しないとひどい目にあうということ。僕は得意なほうではないんだけどね。でもやっぱり違いは大きい。学生時代だったら、6時間長くても$100(ひょっとしたら$200ぐらい?)もらうほうを選んだかもしれないけど、やっぱ楽なほうがいいね。滅多に乗れないし。

SFに戻るときは日記が長い。着いたら同じ日の朝だものな。ビジネスクラスは快適そのものだった。フラットではないけど、ほぼまっすぐになるシートや足掛けのおかげで、ぐっすり6時間は眠った。食事も普段とは比べられない豪華さ。

到着。BARTに乗って市内、会社へ。5ヶ月空けたけど変わらないオフィスにデスク。たっぷり寝たおかげで時差もそれほどはつらくない。が、オフィスが寒い。外も寒かったし。なんだか頭いたくなってきたので、早めに切り上げて帰宅した。

とてもうれしいことがあった。うれしくてなかなか眠れない。

出張最終日。都合5ヶ月にわたる日本ぐらしもこれでおしまい。送別会に、20人もの人が集まってくれた。「名目はなんでも、飲めりゃいいんでしょ」などと軽口を叩いてたが、いろんな部署の人がそれだけ集まってくれたのは、ほんとにうれしい。

2次会のカラオケの後、会社にもどって会社のラウンジで朝まで3次会。10人も残ってくれて、いろんなことを話した。あたらしいオフィスのラウンジ、こういう用途にもなかなかいいかも。

アメリカに帰りたがってるとか、日本に呼び戻すと辞める、とか思われている僕だけど、東京のみんなはとてもよくしてくれたし、去るとなるとぐっとくるなあ。実際そこまでアメリカにこだわってるわけじゃないし、とか思ったりもして。

Markと寿司食いながら話してたときに、面白いことを言われた。

いつもダイレクトなMarkが、「聞きにくい話なんだけど」と珍しく前置きして、「日本人はどうして黒人を差別するのか?」と言う。「差別されたの?」と訊いたら、Mark本人は差別されたことはないという。でも、他の在日黒人たちがよく差別されたと話しているとかで、気になっている話題らしい。

「街でじろじろ見られることとかを差別と言ってるの? だとしたら、見かけが一人違う人が見られるのは、ものめずらしいからでしかたがないよ。僕もイギリス(の田舎)ではよくじろじろ見られた」と言ったら、それは差別だとは思ってないという。Markも、何年も韓国に居たから、もう周りの人がぎょっとしたり、注視してきたりするのは慣れてるらしい。

僕の回答はこうだ。「ほとんどの日本人は、日本人以外はみんな差別してるよ。別に黒人だけじゃない。韓国人、中国人、他のアジア人も差別するし、白人は逆に優遇する人も多いけど、それもここ数十年の話だし、白人にしたって、よそ者扱いで対等に接しないのは同じ。」

「自分たちと違うものに対して警戒したり拒絶したりするのは、人間の本性だと思う。人はなるべく異質なものとは関わりあいたくないんだよ。そういう拒否感を、頭で考えて抑えたり、さらに違いがあるということを楽しめたりするようになるには、知識とか経験とかが必要なんだと思う。そういう機会の少ない人は、どの国の人だろうと差別する側にまわるだろう。合衆国はより異質な人が回りにいるし、そこのところの法律や教育はまだましだから、見える差別は少ないだろうけど、差別があるのは同じでしょ」

というふうに話したら、やっぱりお前は変だな、と言われた。僕以外の日本人、彼の中学校の同僚とか、社会人クラスで教えるときの生徒とか、に日本での黒人差別について聞いたときは、みんながみんな、「日本に黒人差別なんてないよ」、と答えるんだそうだ。

「そりゃあれだ、実際にあるかないか、という話と、あってはならない、という建前がごっちゃになってんだな」と説明したが、そんなことを混同するか? と腑に落ちないようすだった。

共同スペースのソファで新聞を読んでたら、Markが来て寿司食いに行こうという。いいよ、と言って駅まで歩いたら、なんと吉祥寺の回転すしに行くんだと。

やだよそんなの、神楽坂にあるじゃん。とゴネたが、同じカプセルに住んでる寿司職人のリョウヘイが、来週からオーストラリアに行くから、職場に行って驚かせたい、んだと。

リョウヘイ君と面識ないのになんで僕が、と思いつつもつきあってしまうところが、暇じゃないのに暇な僕。しかし、Mark、電車の中で携帯忘れた、と抜かし、吉祥寺についたら店の場所が思い出せないといって、ぐるぐる歩き回らされた。

「そうだakky、このへんに回転寿司がないか人に訊いてみてくれないか?」「あのなあ、このへんだけでもそんなもん数十軒あるわい」

結局見つからなくて、「送別しようという気持ちがだいじなんだ。吉祥寺まで来て探したことを伝えればリョウヘイもわかってくれるさ」とめげてない。せっかくだから当初予定通り寿司でも食おうか、と、そのへんの回転寿司で寿司を食う。なにしに吉祥寺まで来たんだ。

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